Case Study

2.5mmのステンレス板にM6のタップを立てたいですが、 ネジシロ強度は適正ですか?というお問い合わせをいただきました。 ネジの規格・寸法はJIS規格により定められており、M6ネジ(並目)のネジピッチは1mmとなっています。 2.5mmのステンレス板にM6のネジをはめた場合、ネジが二山半しか立たず、このケースでは、組立でトルクをかけると強度不足と判断しました。

他の方法としては、バーリング加工が考えられます。バーリング加工とは、薄板に穴を空ける際、穴の周囲に「立ち上がり」を作ります。これにより、ネジ穴の深さがまし、ネジのはめ込みを強固にすることができます。(この”立ち上がり”をバーリングと呼びます)

しかし、M6バーリングは型がありますが、2.5mmステンレス板材に対するM6のバーリング加工の雌型はありませんので、作成する必要があり、型費が発生します。

このような場合、M6ナットを溶接してネジシロを増やすことが可能です。 ナットを溶接した場合は、型費が必要ありませんので、安価になります。

お客様の品物形状によっては溶接という選択ができない場合もありますので、M6バーリングの型を作成する場合と、M6ナットを溶接する場合の2パターンでメリット・デメリットを説明し、選択いただきます。

また、M6圧入ナットの対応も可能ですが、2.5mmという薄板の場合、あまり選択されません。

バーリング加工
バーリング加工
バーリング加工
バーリング加工