溶接作業風景

”アルミ溶接もお任せください”

”敏速・精密板金加工”

機械加工や板金加工の機械化が目覚ましいスピードで進み、職人への依存度が下がる中、溶接は今でももっとも人の能力に頼る工程と言えます。金属素材は熱により歪みが出ますが、その歪み方は素材や板厚、形状で異なり、「これくらい歪むだろう」と職人は想定して溶接を行います。同時に歪みを防ぐための治具製作も人の能力に頼るところが大きいパートです。当社の精密板金は、これら人の能力に頼る溶接によって支えられています。

当社 精密板金 溶接の特長

  • 基本的には、板厚、形状問わず溶接いたします
  • 自社で曲げ型等を作製し、溶接箇所を減らし、最小限に歪みを抑えながら溶接単価を抑えるご提案をいたします
  • 形状にもよりますが、溶接後の切削により百分台の交差、平面、直角度にも対応可能です

YAGレーザー溶接とTIG溶接

当社では、歪みが少なくアルミも溶接できるYAGレーザー溶接とTIG溶接を採用しています。

YAGレーザー溶接

YAGレーザー溶接

YAG(ヤグ)レーザーとは、イットリウム・アルミニウム・ガーネットという複合酸化物を使用したレーザー光のことです。薄板や深く狭い領域の溶接に向いています。ほとんどの材料を接合する事ができ、熱による影響が少なく歪みやクラックも抑えられ外観も綺麗に仕上がります。溶接時間も少なく、歪み取りの工程も少ないため、短時間で溶接を行うことが可能です。

Yag溶接は薄板に用いる他、ヘアラインやバフ材などで研磨代を抑えるためにも採用します。(Yagビートが残ったままで修正なしの場合)

  • 歪みが少ない
  • 非鉄金属の溶接が可能
  • 精密な溶接が可能

TIG溶接

TIG(ティグ)溶接とは、タングステン・イナート・ガスという電極にタグステンを使用したアーク溶接方法の一種です。ステンレスやアルミなどの非鉄金属の溶接で使用されることが多くキレイな溶接ビード(溶接跡)を得ることができます。また、ナメ付けと呼ばれる溶加棒を使用しない母材同士を直接接合する溶接方法を用いることで薄板の接合などを行うことが可能です。

TIG溶接の薄板について、形状によりますが、鉄・SUSは板厚0.5mm~、アルミの場合は1mm~です。ご相談ください。

  • 溶接する金属を選ばない
  • 強度に優れている
  • ナメ付けが可能
TIG溶接

同じ1.5mm厚のステンレスの、YAGレーザー溶接とTIG溶接との比較です。YAGレーザー溶接はTIG溶接に比べると照射域が小さく、材料に与える影響の範囲が抑えられます。結果として、歪みを抑えることができます。

YAGレーザー溶接とTIG溶接

熱影響の少ないYAGレーザー溶接

1.5mm厚のステンレス ヘアライン材をYAGレーザー溶接(左)とTIG溶接(右)したサンプル。TIG溶接では広範囲な焼け跡が見えます。
YAGレーザー溶接とTIG溶接

裏側から見ても同様です

このようにTIG溶接では広範囲に溶接が可能で、Yag溶接に比べて強度が増しますが、熱影響が大きく、歪みが大きくなります。アルミの溶接はTIG溶接で実現します。
焼け取り

TIG溶接の燒け取り

TIG溶接の焼け跡は燒け取り材で落とすことができ、見た目はキレイになります。
燒け取り後のステンレス材

燒け取りを行っても熱影響は残ります

燒け取りを行うと、見た目はキレイになります。(右がTIG溶接)。しかし生じた歪みや熱応力は残ります。素材、形状に応じて溶接方法をご提案します。

ウィービング溶接

試作屋でもYAGロボットを使う場合があります。 薄板で、加工サイズが長く、溶着強度を求められる場合に使用します。 動画ではウィービング(weaving)溶接しています。
通常ウィービングというと溶接棒を使って加工しますが、 YAGでは双方の母材を溶かして溶着します。 ビードが安定しているので見た目も綺麗で焼け取りの手間もありません。
写真では下方がウィービング加工。右側面が通常のYAGで加工したものです。

ウィービング溶接

精密板金加工と溶接

鉄、ステンレス、アルミなど材質を問わず溶接可能です。薄板(0.2mm~)でも、焼けと歪みを最小限に抑えた製品は、お客様より「キレイな仕上がりですね」とご好評いただいております。精密板金の設計が穴あけと曲げのみで溶接が入らない場合の「精度」と溶接が含まれる場合の「精度」は、追求の仕方が変わります。溶接は金属の歪みを起こしますが、精度をコントロールできれば、複雑な形状を実現したり、通常は金型を製作しないと実現できない形状を試作として製作できます。

溶接設備の特徴

ファイバーレーザー溶接機を導入しました。エネルギー密度の高いファイバーレーザーは、CO2レーザーよりもビームが絞りやすいので超高速で切断できます。ブログをご覧ください

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ステンレスの特徴
普通・良い・特に優れてる

実際には、形状や板厚によって異なりますので、詳しくはお問い合わせください

長所 短所 特徴
Tig 幅広い板厚、材質に対応 作業者の技量による オールマイティーに対応
Yag ひずみが出にくい
ビード幅が細くきれいな仕上がり
溶け込み量が少なく強度不足 薄板(t0.5~t1.5程度)に向いている
Fiber Tig同様の溶け込みだが短時間で仕上がる 高出力のためひずみが出やすい Tig同様に裏側ビードも可能。チタンや真鍮も可能

溶接Q&A

ステンレスと銅、鉄とステンレスなど異種材料の溶接も承っております。

アルミは歪みが大きく修正もしにくいため、溶接が難しい素材と言われています。当社ではアルミ溶接は日常業務であり実績と経験が多くあります。ご相談ください。

はい、可能です。試作で形状確認をしたいけれども、絞り型を製作する必要がある場合、溶接であれば型を製作する必要がなくスピーディーかつローコストで複雑な形状を実現できます。

可能ですが、形状を見てご提案させていただきます。溶接は母材を溶かしますので、薄い板と厚い板を溶接する場合、何も工夫しなければ薄い方がより多く溶けてしまいます。溶接技術で「正しい形状」に溶接するため、まずは形状を確認させていただきます。

はい、承っております。フライヤーの取っ手、机の脚、表札を作りたいなど、多様なご相談にもお応えしております。

納期・品質の観点で考えますと、YAGレーザーのほうが歪みが少なく速く仕上がります。素材がバフ素材(#400など研磨剤)ですと、YAGかけっぱなしで納品できますので、スピーディな対応ができます。素材によって異なりますので、ご要望に応じてご提案させていただきます。

はい、最大板厚 T1.5とT1.5まで、アルミのスポット溶接が可能です。

SUS304 ♯400 両研材

SUS304 ♯400 両研材 / t1.5とt3.0を溶接した部品 / レーザー・ベンダー・溶接・♯400バフ研磨 / 全長200㎜

溶接加工事例

YAGレーザー溶接

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